八津良神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊。

古くは八面神社と表記した。元は小字宮の下にあつたが、昭和二十九年に現在地に遷座。周山村は周山十二ヶ村の一つで、周山といふ名前は天正七年(一五七九)に明智光秀が命名したといふ。江戸中期以降は上・下・魚ヶ淵の三ヶ村に分かれてゐたが、明治九年(一八七六)に再合併して周山村になつた。北桑田郡京北町は平成十七年四月一日に京都市へ編入合併し、京都市右京区となつた。


八津良神社全景

■探訪記

京北交番の向かひの坂を上ると、石段があります。石段を昇ると広い境内が開け、そこに鳥居があります。覆屋に二つの社が鎮座し、本社は左で、右は日吉神社です。境内社は稲荷社の他に、家畜の霊を祀る牛神社といふ珍しい祠が鎮座します。境内に布袋さんの像がありました。

周山は京北の中心部で、八津良神社は旧周山村の村社です。

H19.6.10記

日吉神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は猿田彦命。


日吉神社全景

■探訪記

国道477号沿ひにある柏原公民館から桂川沿ひに狭い道を入つたところにあるのが魚ヶ渕集落です。日吉神社は魚ヶ渕公民館の近くの岡の上に鎮座します。魚ヶ渕村は周山十二ヶ村の一つで、日吉神社は旧村社です。

高台の神社に登ると見晴らしがよく、桂川が見下ろせます。魚ヶ渕公民館をしばらく行くと、吊橋としだれ桜で知られる名所があります。

H19.6.14記

稲荷神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は倉稲魂神。

ある年の夏、洪水で田畑が泥沼になつてしまひ、復旧を思案してゐた下村の百姓の長、高野茂左衛門にこの谷の出口に私を祀れとお告げがあり、農業の神である稲荷神を祀ると、その年から豊作が続いたと伝へる。


稲荷神社全景

■探訪記

周山から国道477号を花背方面に行き、桂川の殿橋を渡つた谷の入口に鎮座します。この谷を稲荷谷と言ひ、稲荷谷川が流れてゐます。谷を上り、茶呑峠を越えると、京都市北区です。下村は山國九ヶ村の一つで、稲荷神社は村社、山國八社明神の一社です。一月二十二日の株名講の直会(通称カブラ講)では、蕪の味噌汁に餅を入れた雑煮で祝ひます。村内には殿橋遺跡や折谷古墳群があります。

H19.6.23記

山國神社本殿

創祀は宝亀年中(七七〇~七八〇)。

御祭神は大己貴命。

光仁天皇の御世、平安京造営の御杣料地として建立され、和気清麻呂が祭主として奉仕した。以来大嘗祭の悠紀主基殿の御用材を調達した。長和五年(一〇一六)年、三条天皇から正一位を贈られ、御祈願所となる。この時、春日・加茂・御霊・日吉の四社を建立して、五社明神とされた。応永六年(一三九九)、足利義満から丸に二引の徽章を奉納され、紋章とした。延喜式内官幣小社・郷社・府社。


山國神社全景

■探訪記

国道477号から参道に入り、三明谷川にかかる魁橋を渡つたところに鎮座します。丹波を代表する神社の一つですが、現在残る境内はそれほど広くありません。神宮寺は廃寺ですが、絹本著色青頭白衣観音像が残つてゐます。

山國は古代より皇室との関係が深かつたため、尊皇の気風が強く、時代祭の先陣を行く丹波山國隊は有名です。境内に英中韓の案内があります。

H19.6.29記

日吉神社本殿

創祀は天福元年(一二三三)。

御祭神は国狭土之命。


日吉神社全景

■探訪記

桂川の土手の道から桂川に掛かる沈下橋を渡つてしばらく行つたところ、天童山の山麓の杉林の中に鎮座します。

辻村は山國九ヶ村の一つで、日吉神社は辻村の村社で山國八社明神の一つです。社殿は明智光秀により消失し、現社殿は寛永十七年(一六四〇)に再建されたものです。

H19.7.1記

賀茂神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は賀茂別雷命。


賀茂神社全景

■探訪記

桂川を渡り、中江の集落の奥にある京都府保安林の杉林の中に鎮座します。杉林の中を続く石段を上つて行くと覆屋があり、左右に社殿が鎮座します。左が本社、右が貴船社と熊野社です。

中江村は山國九ヶ村の一つで、賀茂神社は中江村の村社です。山國五社明神の三の宮でもあり、「はたの森」とも言はれます。

H19.7.4記

若松稲荷神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は稲倉魂命。


若松稲荷神社全景

■探訪記

国道477号の野上橋バス停前から桂川の方に折れる道を行き、野上橋を渡つたところの山麓に鎮座します。

一の鳥居として昭和十一年の石鳥居があり、石段には平成十二年の朱塗りの鳥居が六連ありました。狐は昭和十四年に奉納されたものです。

大野村は山國九ヶ村の一つで、若松稲荷は地元の崇敬社のやうです。

H19.7.10記

大野不詳社本殿

創祀は不詳。

御祭神は不詳。


大野不詳社本殿全景

■探訪記

若松稲荷神社のすぐそばに鎮座します。御祭神や由緒等は不明です。祠の後ろの椿が目印です。祠の前に古い灯籠がありました。

H19.7.13記

熊野神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は伊邪那美命。


熊野神社全景

■探訪記

大野公民館のそばに鎮座します。裏山は大きな岩山で、磐座だと思はれます。境内には天明年間の灯籠が残つてゐます。

大野村の村社で、山國八社明神の一つです。子供の出生を記念して鈴の綱に白布を巻いて祈願するといふ風習があります。

H19.7.14記

日吉神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は国狭土之命。


日吉神社全景

■探訪記

国道477号線沿ひ、比賀江公民館の近くに鎮座します。比賀江村には長和五年(一〇一六)創建と伝へられる五社明神のうち、二宮春日神社、四宮御霊神社、五宮日吉神社が鎮座してゐました(春日神社は現在見当たりませんが、山國神社内の春日神社でせうか)。日吉神社は比賀江村の村社、山國五社明神の一つで、乙の宮・三七の森と言ひます。鳥居横に昭和十五年造の村社日吉神社の碑があります。

H19.7.16記